約 3,557,779 件
https://w.atwiki.jp/horror_vip/pages/341.html
AVP2 エイリアンズVS.プレデター ■概要 2007年12月に公開されたアメリカ映画。 エイリアンVSプレデターの続編。 監督はコリン グレッグ・ストラウス兄弟。 アクション要素の強かったエイリアン4やプレデター2、前作AVPなどと比べて、ホラー色が強い。 日本でのレイティングは PG-12(= 12歳未満{小学生以下}の鑑賞には成人保護者の同伴が適当)指定。 話的には前作からの直後の話になるらしい。 ■関連項目 エイリアン エイリアン2 エイリアン3 エイリアン4 エイリアンVSプレデター ■リンク 公式サイト エイリアン・フェスティバル
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/2490.html
イノセント・プレデター ベリーレア 闇 3 2000 パラサイトワーム/グランド・デビル ■ダミーレインボー(バトルゾーンにある間、このクリーチャーは多色カードとしても扱う) ■このクリーチャーをバトルゾーンに出した時、自分の墓地またはマナゾーンから進化クリーチャーを1体選び、手札に加えてよい。 (F)雲を食い破って侵入した、小さな存在。破滅の種に気づく者は誰もいなかった。 作者:まじまん 「ダミーレインボー」サイクル中の唯一ホイル仕様。 cipで進化クリーチャー限定の《ダーク・リバース》。バトルゾーンにある間は「闇単色クリーチャー」or「闇を含む多色クリーチャー」として扱われるので、文明を指定する進化クリーチャーを墓地から戻せばそのまま進化できる、という流れが最有力。 評価 6/13.コスト改訂しました。 まじまん 収録 エキスパンション『虹色の暗雲』
https://w.atwiki.jp/lapyuta/pages/58.html
エイリアン VS. プレデター 【AVP ALIEN VS. PREDATOR】 世界中で圧倒的知名度を誇る2大モンスターによる、究極のバトルがここに実現! 構想10年、「バイオハザード」のポール・W・S・アンダーソン監督が繊密な作品考証と驚異のVFX映像で果敢に挑んだ、大ヒットSFアクション超大作!! ジャンル アクション 原題 AVP ALIEN VS. PREDATOR 製作総指揮 監督 ポール・W・S・アンダーソン 脚本 ポール・W・S・アンダーソン 作品データ 時間 本編101分 公開 日本公開日 2004年 ストーリー 西暦2004年、ウェイランド社の人工衛星が南極大陸で異常な熱放射を観測した。解析した結果、南極大陸の地下600メートルに巨大な建造物が眠っていることが分かった。実業家のウェイランドは世界中から考古学者や科学者を集め、女性冒険家レックスのガイドのもと、謎の熱源へと向かう。そこで彼等が遭遇したものは、さまざまな古代文明の特徴が混在するピラミッドだった。だが、世紀の発見に喜ぶのも束の間、彼らは恐ろしい事態に直面することとなる。そこは、100年に一度プレデターがエイリアンと戦い、戦士としての試練を受ける"儀式"の場所だったのだ。探険チームは、エイリアンとプレデターによる想像絶する殺戮の真っ只中に、"囮"として足を踏み入れてしまったのだ。はたしてレックスたち人類に助かる道はあるのか…。 キャスト レックス サナ・レイサン ウェイランド ランス・ヘンリクセン セバスチャン ラウル・ボヴァ
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/130.html
前truetearsVSプレデター3 眞一郎の手が愛子の肩にかかった。 「いっつ!ちょっと・・・」 「五月蝿いっ!!」 そのまま客席のテーブルに強引に押し倒す。 「やっ、だ・・・、離して!」 愛子の手が眞一郎の顔を引っ掻き、がむしゃらに抵抗する。 「誰でもいいんだろっっ!」 許せなかった。思い出を汚され、比呂美まで汚された気がして、本気で憎らしかった。 襟に手をかけると力任せに左右に引き裂く。 その勢いで彼女の乳房が跳ね上がり、薄桃色の乳頭が飛び出した。 ゴクリッ・・・ さっきまで盛んに行われていた乱交のイメージが重なり、股間が沸騰する。 「きゃぁあっ!だめぇ!」 気が付けば夢中で、おっぱいに喰いつきベロンベロンと舐めしゃぶる。 「誰かぁ!助け、・・・んっ!」 五月蝿い口を掌で掴む。愛子の歯が噛み付き、皮を裂き、血が垂れる。 乱暴に体を引き倒すと、机にある調味料や割り箸がこぼれて周囲に散乱した。 足で必死に蹴ってくるので、ジーンズを膝まで引き降ろして下半身を拘束する。 「やだぁああ!誰かぁああ!!」 泣き叫ぶのを無視して、上半身を机にうつ伏せにすると、右腕をねじり上げて動きを封じる。 「別にいいだろう?俺のこと好きだったんだから!」 そうだ。愛子のことを何にも知らないような男たちと淫らに交わる癖に、どうしてオレじゃダメなんだ! 「んんんっんんっうーーー!!」 彼女が被っていたバンダナを口に突っ込んで塞ぐ。 丸い尻に薄く張り付いたショーツを引き降ろすと、自分もベルトに手をかけた。 焦りながらトランクスを下ろすとガチガチに勃起した逸物を引き出す。 「んうっーーー!!!」 頭の片隅で‘今すぐやめるべきだ’と、大切な何かが叫んでいるが、 ここまで来てしまった勢いと、脳を焼きつかんばかりの性欲で前後の見境もつかない。 「・・・あ、あれ?くっ、くっそ・・・」 なかなか入り口にうまく入らない。眞一郎は先走りでドッロドッロなのに対し、 愛子は少しも濡れていないのだから当然だ。 経験の無さを馬鹿にされたような、雄としての自分を否定されたような屈辱で、乱暴に陰部を擦り続ける。 「くっそぉお!くっそぉおお!」 それを繰り返すと、愛子の肉体が防衛反応で膣口に愛液を垂らしはじめた。 「!・・・やっぱり淫乱だったな・・・」 これは無理やりな性交で、性器を傷つけないための、生理的な処理であって、性的興奮とは一切無縁だが、 我侭な彼に察する余裕などない。 「いっくぞお」 ゴガァアンッ! 入り口に先端が触れた瞬間、眞一郎の頭部に鈍く重い衝撃が走って、視界が暗転した。 「大丈夫!愛ちゃん!?」 そこには全身をずぶ濡れの三代吉が、立っていた。その拳は皮がさけて、真っ赤に染まっている。 「っぶあ!・・・どうして・・・?」 戒めを解かれた愛子が、突然の救援で呆気にとられている。 「オレ・・・知ってたんだ愛ちゃんが、その・・・他の男と・・・してること。 でも、オレはガキで・・・愛ちゃんを満足させられなくて・・・だから、知らないふりして・・・」 三代吉の目には涙が溢れていた。雨でずぶ濡れの顔でもはっきりと分かった。 「だけど・・・だけど心配で!やっぱり辞めてほしくて・・・それでつい来てみたら・・・」 彼の心を今占めているのは、彼女を襲われた憎しみではない。 親友を殴ってしまったこと・・・そして、失ったことを悲しんでいた。 「み、三代吉・・・」 「・・・出てってくれ」 「・・・・・・・・・ごめん」 眞一郎はヨロヨロと立ち上がると、不恰好にズボンを締めながら正面から出て行く。 戸が閉まるまで三代吉は胸からせり上がる嗚咽を噛締めていた。 「・・・ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 愛子も頬を濡らしながら必死で謝罪する。悔やんでも悔やみきれない。 いつも自分の傍にいてくれた、自分をこんなに思ってくれていた彼。 どうして、それに気付かなかったのか、どうして向き合おうとしなかったのか。 「いいんだ・・・いいんだよ愛ちゃん・・・」 二人は抱き合うと、泣いた。赤ん坊のように、恥も外聞もなく、ただただ思いっきり泣いた。 失ったものの大きさの痛みと、今愛する人を抱きしめている幸せで。 傷だらけのプレデターが罠にかかった獲物をチェックする。 負傷兵の悲鳴は恰好の陽動になるし、死体なら盾にする。武器も回収して、再利用できる。 「・・・クァア?」 ふと見れば、棘が飛び出す壁から、それを避けた敵を吸い込む落とし穴を白い直線が結んでいる。 細いロープだった。 金属を切り出した突針はなだらかとは言い難く、その凹凸にロープの端がひっかかり、 落とし穴の口まで続いているのだ。 ジャキンッゥ 必殺のリストブレイドを展開して、身構える。 想定できるのは、罠を確認しにきたプレデターを逆に攻める仕掛け。 先に爆弾か何か、装置を取り付けているのか・・・だが見るからに稚拙だ。 これはカモフラージュで二重トラップがあるのか、と穴が何か囁いた。 「こ・・・こんなに・・・可愛い子がっ、お、女の子なわけ、・・・ないじゃないか?」 知ってる声紋だ。データから読み取れる骨格や体格からも誰なのか直ぐに分かった。 ギギギ・・・ 壁を蹴って、落とし穴の閉じられた口を開くと、その淵で少女が懸命に底へ落ちるのを抗っていた。 「よ、よかったら・・・手を貸してくれないかな?」 比呂美は地面が裂けたとき、とっさに止血用のに腰を巻いていたロープの端を、 自身を貫こうとしていた刃に引っ掛けたのだ。 何か使うことになるだろうと、余分にロープの長さを作っておいたのが幸いだった。 ミチミチミチ・・・ 「うがぁっ」 しかし、彼女の体重を支えるためそれは深く腹に食い込んで苦痛をもたらしたし、 そのロープは今にも外れそうで穴を登ろうと身を揺することもできなかった。 キュイィィィィン 「・・・!」 プレデターのマスクから伸びた赤い光線が比呂美の額を指す。 それが鉄も溶かすプラズマキャノンの道標であることは彼女もよく知っている。 「わたしは死にたくない・・・あなたもそうじゃないの?」 今は少し優勢に戦闘を展開しているプレデターだが、朽ちた檻の中で篭城を続ける限りいつかは限界がくる。 プレデターはその終末を覚悟で闘っていた。 「聞いて・・・私だけでも、あなただけでもこの包囲を抜け出せない」 いまや比呂美を殺すのに、何の造作も無い。ほんの少し、チョイと文字通りの命綱に触るだけでいいのだ。 それで穴の底で待っている針の束が、少女の形をした肉を作ってくれる。 「でも2人一緒ならきっと超えられる」 比呂美を救う義理はひとつもない。 「一人だけなら飛べない羽でも、二人揃えば翼になれる」 彼女は自分を追い回す人間の仲間だ。 「翼なら飛べる!」 比呂美は助けに来たのでも、助けを求めたのでもない。 「地べたを這ってる私でもない、雷を轟かすあなたでもない・・・私たちでここから羽ばたくのよ!」 プレデターと協力しに来たのだ。 ブツッ その瞬間とうとうロープが重力に負け、杭から外れて宙に放られた。 「あ」 プレデターが咄嗟に縄の端を掴んだ・・・が、雨でツルツルに滑って手の平を抜け、小指に引っかかる程度になってしまう。 「ひぃっっ!!」 ガクンッと揺れが襲い、ロープに捕まっていた比呂美は泥でグチャグチャの縁に手と足を掛け、ギリギリで踏ん張る。 それでも怪物の握力ならゆっくり引き上げられる筈だったが、そんな猶予はなかった。 シュカッ 突然振り返ったプレデターが通りの影にディスクを飛ばすと、血潮が広がり割れた人影が転がる。 「いたぞ!撃て撃てぇっ!!」 影から一斉に銃弾が注いでくる。キャノンで応戦するが、比呂美を支えるのに体勢をとらえ狙いがつかない。 怪物の握力とは関係なく、ロープの強度と、表面の摩擦のせいで、強引に持ち上げられないのだ。 四肢を銃弾が掠めていく。だがそれでもプレデターは比呂美の命綱を離そうとはしなかった。 「ヴオオオオオオォォォォッッッ!!」 土砂降りの豪雨が注ぐ公道を、道路工事の看板を立てた数人の警備員が封鎖している。 彼らはプレデター捕獲のため、ユタニ社が要請した民間警備会社だ。 もちろん末端のさらに端、間に合わせの彼らにそんなことを知る由はない。 「しっかし、こんなひでぇ中働かせるとはなぁ・・・」 「しかもなんでまた絶対勧告令なんか敷くんだか」 「まぁ金払いのいいのが救いだけどな」 「終わったらパーッと遊びに行くか?今度いい娘が入ったんだと」 「いいねいいねー・・・おい、来たぞ」 カーブの向うから猛スピードでバイクが走ってくる。 1メートル先の視界も不確かな天候下であの運転は、正気の沙汰と思えない。 どこぞのスリルジャンキーなライダーだろう。 とはいえ、大型車両を壁のように道路に並べているから、映画のように強行突破するのは不可能だ。 警備員たちの予想通りバイクは彼らの手前で停車した。 「はーい、ご苦労様。ここは今工事中でして、って・・・」 驚いたことにまだ十代の少年だ。しかも少女との2人乗りだ。 「君ぃ、命知らずは結構だけど、女の子を巻き込んじゃいけないよ」 少年、といっても同年代より遥かに体格もよく、マスク越しからも分かる精悍な彼がバイクから降りて告げる。 「そうもいかないんだ・・・こいつの命のために」 石動純は雨も気にせずにマスクを外すと、警備員たちに向き直って頭を下げた。 「お願いします!ここを通らせて下さい!」 少女の表情はよくわからない。だがこの雨のなか、わざわざ来るということは深刻な事情でもあるのか。 「そうしてあげたいけど・・・ここは使えないから」 「なんなら車で送ってあげようか?」 警備員たちも同情はするが、トップからの指令に逆らえばクビは必至だ。 「そうですか・・・残念です」 純は本当に残念そうにいうと頭を戻した。 ホッとする警備員たち。だが次の瞬間、彼らの表情は驚愕に凍りつき、悲鳴に染まった。 「警告はしたぞおおおオオキャアアアアアアッッッ!!!」 端正な少年の影が蠢くとその全身を包み、真っ黒い肉体と真っ赤に裂けた口と牙、そして顔を埋め尽くす真っ白い目の怪物が現れた。 仲上眞一郎はフラフラと雨のなかを彷徨っていた。 後悔などという言葉では到底追いつかない絶望感、自我をぐちゃぐちゃにしてしまうほどの罪悪感に苛まれていた。 安藤愛子、野伏三代吉。 はっきりと意識したこともないが、一生に2人と得られない友人を同時に失ったのだ。 一切の弁解なしに、ただ己の過失、最悪の所業によってばかりに。 「・・・なんで、なんでこうなるんだよ・・・」 なんで?それを自分に問う権利などある筈がない。原因はただ自身の本性が卑劣であったというだけにある。 それを知ってしまったのだ。 多くの法律や慣習、因習によって雁字搦めに封じられ隠されてきた本性、 今まで自分は世界の白い部分に属すると、意識もせず思っていたのにそうではなかった。 「仲上眞一郎は・・・・・・悪人だったよ」 そうやってひとしきり葛藤していたが、いい加減肉体が悪天候の中、傘もささずうろつくことに耐え切れなくなった。 「・・・帰ろう」 純や愛子のいうとおり、比呂美はどこかで自分の知らない男の腕のなかにいるのかもしれない。 自分がみたことのない陶然とした顔で、喜びの悲鳴をあげる比呂美の痴態が浮かぶ。 艶やかな髪を振り乱し、眞一郎のモノよりずっと立派なモノにむかって腰を叩きつけ、 胎内に子種を何度も何度も注がれる比呂美。 学生らしいキスとはかけ離れた生々しい唇同士のセックス。互いの舌を絡め、唾液を交換し、 餌を求める小鳥のようについばみ合う。 ブラジャーなしでも芳醇な乳房は垂れることなく、男の指で粘土のようにグニャグニャとこねくり回される。 その相手の男は・・・石動純だった。 「いないっていってたじゃないか・・・」 比呂美にも純にも、乃絵にも失礼な話だ。 それでも恥知らずな想像を戒める心地も起こらない。 想像の比呂美の感触を味わい、純に自分を重ね、その絶頂に同調する。 「・・・っ!」 無意識に自慰していたらしく、ズボンのなかがグッチョリと汚れてしまった。 「どうせ・・・ずぶ濡れで分かりゃしないか・・・比呂美も濡れ濡れだろうし」 ほんのつい先ほどまで、近くに感じた比呂美の存在がどこか遠く、ずっとずっと彼方にいってしまったようだ。 「母さん、ごめん・・・」 普段は口煩い母親。しかし、己が矮小を自覚したとき浮かんだのはそんな自分を見捨てないでくれた母の愛だった。 「ごめんよ・・・」 大切なものを失ってしまった、自ら零してしまったのだ。 だからこそ、確実に自分を認めてくるひとの温かさが、この今になってはっきりと分かった。 心配してほしい。凍えた肌を抱きしめてほしい。一人じゃないと信じさせてほしかった。 「宇宙生物を押さえました!現在、残存兵力を集結させています。鹵獲はほぼ確実かと」 ユタニ軍の前線司令部となっているハイテク車両内に通信が入る。 「了解した。敵の生命力は極めて強大。くれぐれも注意されたし」 吉報を受けた司令官は努めて冷静にいうと、ホッと腰を下ろした。 「クビがつながったな」 傍らにいる副官に共感を求める。 「まだ決まったわけではありません・・・が、化け物は連絡地点から何故か動けないようです。 あとは態勢を戻されないよう兵力で圧倒しつつ、止めに液体窒素弾で凍らせれば完璧です」 司令官は、まだ予断を許してはいけないと知りつつ、 勝利の美酒を思わずにおれない。 「宇宙の狩人を仕留める・・・か。今は無理でも遠い歴史において、我々の名は無限に語られるだろう」 しかし直接部隊の情報を受けた部下のひとりが、渋々といった感じで進言する。 「現場の兵たちが相当消耗しており、必要な人員をとても避けません」 副官が正確な数字を確かめるが、苦々しくかぶりを振る。 「追い詰めているのは確かです。しかし、現在の状況ではこっちのスタミナが先に尽くでしょう。 そうすれば、増援を手配するまでにヤツは高エネルギー爆発を起こすでしょうね・・・」 「なんてこった!」 司令官がやるせない憤懣で机を叩く。 正しく千載一遇の機。ほんのもう少し、押し続ければ悲願が叶うと分かっているのに、 その寸前に至って、ゴールテープを目前にして力尽きるのか。 「くっ・・・止むを得まい。化け物が本当に追い詰められてるなら、今こそアレを使うぞ」 副官が即座に理解して、あつらえた金庫を空けるとトランクを引き出し、 長々とした手順で封を解除していく。 そして最後のキーに辿りついたとき、今一度司令官に問う。 「これで仕留められなければ私たちの命はないでしょうね?」 「それは今ヤツを倒せなくても同じことだ・・・やれ」 「了解」 箱に収まっていたのは、電話だった。 司令官は受話器をとると、コードを押してどこかに連絡する。 「こちら最前線対策司令部指揮官。認識コードXXXーXXXXーXXX」 「確認しました。命令をどうぞ」 「‘強化外骨格’の使用を要請す」 部隊から離れて近くの山中に隠れていた輸送用コンテナを配備したヘリが飛び立つ。 その内側では、大型の機械が起動を開始した。 「さて、あとは祈るばかりだな」 ユタニの前線司令官が副官に向き直る。 今回の有事に対し、友好企業のウェイランド社から本社が直接交渉して借り受けた切り札。 分厚い書類と手続きの末に使用の有無を本社から許された試験兵器。 「ええ、待ちましょう・・・」 この最重要機密を万が一にも知られないため、自軍を含めた周囲一帯に強力な通信障害を施すことになる。 そのため本当に、あとは祈るしかないのだ。・・・もっともそれはある意味、正しかった。 ビーッ!ビーッ!ビーッ! 「何事だ!?」 緊急事態を警告するサイレンが響く。同時に車内のランプが非常用の真っ赤なライトに切替わる。 「わ、分かりません!友軍との連絡が急に・・・!」 モニターに示された味方の位置を知らせる光が、瞬く間に消失していく。 「馬鹿なっ!まだ早いぞっ!・・・ん?」 真っ赤なランプの光が奇妙に歪む。まさかこのシルエットは・・・! ガキュンッ! 異変に気付いた副官が虚空に向かって、ホルスターから抜いた銃を撃つ。 すると空中で青白い放電が奔り、そこに色を塗るようにして、凶悪な狩人の姿が現れた。 「馬鹿なっ・・・何時から!?」 あちこちで青白い光と、真っ赤な爆発が起こり、焼けた鉄の音が広がる。 「始まったか・・・」 穏やかでない手段によって最初の警戒線を超えてきた純は、路肩にバイクを停車して、 付近の山々から微かに届く花火の連鎖を眺めていた。 乃絵の目にはその光景を見つめる兄が恍惚としてるように思える。 「行くの・・・?」 純がバイクから降りると、妹を雨から庇いつつ庇いつつ、乗り手のいなくなったトラックに移す。 「ああ、乃絵はここでじっとしてるんだぞ」 「できれば・・・誰も殺さずにやれないかな?」 縋るような目で兄に訴える。これから戦場にいくのに無茶だというのは分かる。 ただ、自分の罪悪感ばかりではない。このままでは純の心まで真っ黒になってしまう予感があったからだ。 「どの道、プレデターは皆殺しにするつもりだ。 下手に町に逃げられたら、平気で巻き込むぞアイツラは」 乃絵に嘘はつけない。だから口約束をせず、純は道理を説く。納得できなくても、だ。 「じゃあなんで自分たちだけでやらないの?仲間を助けに来たんでしょ」 青年はつい笑ってしまう。確かに人間の常識で考えるとそうなんだが、 「それが少し違うんだな・・・あの戦闘ジャンキー共にとって、 戦いに救いを差し伸べるのは酷い侮辱なんだとさ」 大体自分から宇宙を飛び回っては、頭蓋骨のトロフィーを作りまわってるくせに、 何を拘るのかという価値観だ。 「だから已むを得ず・・・、技術を奪われそうになったりした時にだけアイツラは動く。 結果的にそれが助けになるなら、せめて代わりに試練をたそうってわけだ」 乃絵は納得するどころか余計憤懣にかられた。 「じゃあ自分たちでやればいいじゃない!」 「そうもいかないんだ・・・。何しろ年中ドンパチやってる異常な宇宙人が 仲間同士で殺し合いを始めたら、あっという間に絶滅しかねない」 「それでお兄ちゃんが代わりに戦ってほしいって・・・ 身勝手迷惑の塊じゃない、どこの星で育ったらそうなるの?」 純は肩を竦める。なんにせよハンカチでも咥えて、号泣して見送られなくて幸いだ。 「さてね・・・。でもオレが選ばれたのはコレ、 共生体‘シンビオート’と共鳴したかららしい」 仲上眞一郎が訪ねてきたとき、必要以上に荒れたのは宇宙アメーバのせいだったのか。 その黒いコスチュームに親しみの感情を向ける純が乃絵にはつらい。 それは兄をおかしくさせていると、どうして気付かないのか。 「あ・・・雪」 鼻に伝わる冷えに乃絵が空を見上げると、 いつの間にか降りしきる雨は嘘のように止み、代わりにキラキラとした結晶が降りてくる。 純は妹の瞳に照らされた白い輝きを認めると、それを失うまいと決意を固くする。 「そろそろ行く」 「ん」 乃絵がトラックの奥に引っ込むと、肩を震わせて白い息を吐く。彼から目をそらして、その姿を見ようとしない。 プレデターの命令に従って、ここに来るまでずっとむくれていた。 眉を寄せて、苦そうに笑う純は上着を脱ぐと、彼女に渡す。 「預かっといてくれ・・・」 「・・・ん」 濡れた上着を懐に抱きしめ、兄の温もりを確かめる乃絵。彼女は思う。 もし戻ってきたとしてもそれは‘石動 純’なのか、と。 その不安に駆られて我慢できず兄に顔を向ける。 純も乃絵を見つめていた。その眼差しは温かかった。 いつもの、いつか分からないほどずっとずっと昔からそこにあった。 それだけはきっとこの先も変わらないのだと、 そう確信できる光がそこにはあった。 「いってらっしゃい、お兄ちゃん」 「じゃあ見ててくれ・・・オレの‘変身’!」 血と肉、鉄と炎に染まった土を白銀の雪が覆い隠す。 そこに踏み出した少年の姿が、そおだけ光が吸い込まれたように黒く輝く。 白い牙のような模様が刻まれたマスクをしばし向けると、何もいわず彼は駆け出した。 夜中にお使いに出た湯浅比呂美はレイプ集団に襲われるが、死闘の末勝利する。 近くまで来ていたプレデターは、その勇敢さを称えて、ちょっと挨拶に現れるが、 そこにプレデターを追って、日系企業ユタニ社の軍隊が登場。 熾烈な争いの渦中に比呂美も巻き込まれ、撃たれてしまう。 一方、眞一郎の母は丁稚とカーセックス。 眞一郎は、安藤愛子の乱交現場を目撃したショックで愛子を強姦。 幸い三代吉の活躍で未遂に終わるが、同時に友情も終わった。 そのころ、プレデターの仲間に乃絵は爆弾をつけられ、 純も寄生生命体を植えつけられて‘ヴェノム’に改造されてしまう。 それは純をプレデターの敵にするためだった。 ユタニの軍はプレデターの仲間によって駆逐されつつあったが、 最後に‘強化外骨格’なるものを投入していた。 そして比呂美はプレデターに協力を提案するが、 その矢先、落とし穴に落ちて、早くも足を引っ張ることに。 ユタニの残存兵力が集結するなか、プレデターは比呂美を守って闘うことになる。 (ここまでが前回までのあらすじ) 路地の真ん中で、針の落とし穴に落ちそうになる比呂美をギリギリで支えたまま、 プレデターは前後から注がれる砲火に応戦する。 「グゥウッ・・・!」 彼の怪物が自己の生死さえ貧窮している極限で、比呂美の命を救う義理立てなどない。 というか、そうでなくても助けることはなかったし、 実際比呂美がレイプ犯に囲まれたときも手を出さなかったくらいだ。 しかし、今はまさに命がけで彼女の体を支えている。 「・・・ごめんなさいっ!」 比呂美がプレデターの小指に掛かった自身の命綱を、身を揺すって振りほどく。 「クァア!」 彼女の自殺行為に、プレデターが心外、といった声を上げる。 生きたい。本当に死にたくない。 その思いが強いからこそ、同じく懸命に足掻くものの邪魔をしたくなかった。 一分一秒でも長く呼吸するのではなく、意思を持って前進することが生きることだ。 だからその志をせめて、同じ渦中にある戦士に託すことが、 比呂美なりの生存欲求、運命への抗いといえた。 それでも、その英断は自身を永遠に喪失するのを代償としたことに変わりない。 ほんの一瞬、しかし四肢を突き刺される確実な苦痛。その恐怖を歯を噛締めてこらえる。 後悔などしない。いや、どうせ手遅れだからしてもいいか。 瞬きにも満たない刹那の間に、 比呂美は高潔な決断と、気の抜けた諦観を同時にやって、自身の最期をやり過ごすつもりだった。 ヒュー ガキッ 「っ?・・・へ」 プレデターの片腕から発射されたネットランチャー・・・本来、獲物を縛り上げ、その体をサイコロステーキのように、 解体する殺傷道具が、比呂美を落とし穴の壁面に貼りつけ、死に至るのを阻止していた。 「あ・・・あぁあ・・・」 途端に比呂美の肌を、電気のように生きている悦びが駆け抜ける。 「グゥウオッウ!」 しかし彼女に注意を向けた怪物の背に、太い杭が打ち込まれる。 その先端は鉤状になっており、鉄線を編んだ太いワイヤーが それを引き寄せて深く肉に食いこみ、ガッチリと拘束して引き寄せる。 「「ガァアアアッッッ!!」 プレデターは決心すると、そのまま敵に突進していった。 直進すれば、それだけ的に晒されて、集中的にやられてしまう。 事実、今まではなんとか肌を掠める程度だった攻撃が、もろに前面に注いでくる。 一歩進むだけでも、窓にぶつかる虫のような足掻きだったが、それでも止まらない。 プレデターが比呂美を助けようとしたのは、ほんの気の迷いだった。 自身に向かって懸命に協力を訴える少女が消えそうになったとき、つい手を出しただけだ。 このモンスターに干渉や後悔の類は縁がないが、一方で、リスクに左右されるような迷いや躊躇もしない。 助けようとしたのだから、手向かわない限りは最後まで助ける。 つまり比呂美に何かを期待したわけでもなかった。 だから、あれほど懸命に足掻いていた彼女が自分のために動いたこと、約束を守ったことが嬉しかった。 孤軍のなかに射した、ほんの小さな光。それが力になった。 ドシュッ!ガキィッ!メチッ! 「ひいいいいぃぃぃ!」 それでも兵隊の束に、自らを槍として叩き込み、その懐にもぐりこんだプレデターは五体を振り回して、応戦する。 たった今、小さな少女が見せた勇気、それが怪物の攻勢に向かう意思を目覚めさせ、発揮させた。 ユタニの兵たちはもう殆ど肉体的にはプレデターを殺していた。 事実、かつての歴史でこの種族を単身で打ち破った人間のように、冷静かつ捨て身で挑めば、倒すことができた筈だった。 しかし、手負いの獣が見せる悪鬼そのものも蛮勇に気圧され、結果として逆に死ぬこととなった。 気付けば残った最後の一人が、背を向けて逃走する。 「・・・ルウゥゥウッ・・・」 プレデターも満身創痍極まる感じで、追おうとしても水漏れのように、膝から力が抜けていく。 だからノロノロと背に突き刺さった杭を引き抜くと、欠けたリストブレイドでワイヤーを丁度よく切断すると、 カウボーイのように腕に携えてそれを振り回す。 すでに敵は通りの向うに消えていたが、化け物じみた(?)感覚で、位置を把握すると、 目に届かない向うに杭をぶん投げた。 「ごひゃっ!?」 目の届かない通りの向うで断末魔が弾け、それっきり静かになる。 轟音で溢れかえっていた戦場はいつの間にか、かすかに焼けつく炎の音だけになっていた。 気がつけば、濁った雨はやんで、静かに雪が降ってきている。 「終わった・・・んだ」 ネットを半分だけ剥がして、足場にし、穴から外を覗いた比呂美はホッと息を吐く。 フラフラのプレデターが応えるように彼女を振り返る。そのとき、 シュバァッ! ドグォオオオオオンンンッッッ!!! 空から青い閃光が轟き、プレデターのいた地面を吹き飛ばした。 「グゥオァッ!?」 手負いの怪物に対する不意打ちの効果は絶大で、受身も取らず宙に飛ばされると、 瓦礫に跳ね返って地面を転がった。 「この醜い化け物が・・・っ!皆殺しにしおってからに」 空から重厚な排気音を響かせて、巨大な鉄の塊が降りてくる。 驚いたことにそのデザインはまるで、展覧会に出品されるような洗練されたルックスと圧倒的な重量感、 攻撃的かつスタイリッシュなフォルムは最新鋭の工業製品であることを示している。 「ロボット?」 3m以上はある真っ白い鉄の塊が、人の姿をしている。 胴体からは2対の小さな─全体から比べればであり、そのサイズは大人の腕と変わらない─腕が生えた 四本腕使用で、それは巨大な腕と連動しているらしく、指先まで同じ動きをする。 全身は無骨さを感じさせない美しい稜線で構成されていて、美しくすらある。 「仇は討たせてもらうぞ・・・貴様だけでは足りないがなぁ!」 しかし、デザインから逸脱した乱暴な台詞が、ノイズのないスピーカーから出ると、 グッタリと伸びたプレデターを蹴り上げて、浮き上がった背中に肘を叩き込む。 「グォオオッッアァア!?」 プレデターもしがみつくようにして、強化外骨格にパンチを打ち込むが、 わずかに胴体が揺らいだだけで、逆に押さえ込まれると、足を掴まれてジャイアントスイングをかけてきた。 「おらぁあああっっ!!」 止めとばかりに、その図体を大地に投げ落とす。とても機械とは思えない自然で滑らかな動きだ。 外企業のウェイランド社が未来の兵器市場に並べるべく開発したそれは、 歩兵に「ゴリラも容易く倒せる怪力」と「戦車並の装甲」と「戦闘車両並の重武装」と 「要塞並の環境適応力」と「戦闘ヘリ以上の機動力」を持たせた装備である。 最大の特徴は「マスター・スレイブ方式」、 即ち着用した人間の動きをそのままフィードバックして動かせる点であり、 従来の搭乗兵器から格段に飛躍した操作性を誇っている。 文字通り手足の如く、だ。 さらに内蔵されたシステムは、ヘルメットのサイバネティックインタフェースで読み取られた 脳波パターンによってコントロールされている。 人工知能をベースにしたオペレーティングシステムを備えた非常に洗練されたもので、 様々な戦術的な情報を提供し、内外のセンサーを使って常にスーツの状態をフィードバックしている。 思考そのものがマシーンと同化した、といってよい。 故に武器を交えた総力戦ならともかく、肉弾戦に限定すればプレデターに互角以上の勝負も可能なのだ。 参考画像→http //thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_mall/digitamin/cabinet/timg4/t8685.jpg つづく truetearsVSプレデター5
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/47258.html
《捕食者プレデター》 C 火文明 (4) クリーチャー:ティラノ・ドレイク 3000 ■相手がコストを支払わずにクリーチャーを出した時、このクリーチャーを手札から場に出してもよい。 ■スピードアタッカー 作者:リース族 フレーバーテキスト このクリーチャー世界では幾たびもの戦争が行われている。しかしその戦争の原因は、必ずどこかで繋がっているのだ。因果を結びつけていった先には、ある1体のドラゴンがいた。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/13085.html
ゴヨウ・プレデター(OCG) シンクロ・効果モンスター 星6/地属性/戦士族/攻2400/守1200 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上 「ゴヨウ・プレデター」の効果は1ターンに1度しか使用できない。 (1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時に発動できる。 そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。 この効果で特殊召喚したモンスターがプレイヤーに与える戦闘ダメージは半分になる。 コントロール ゴヨウ シンクロモンスター プレデター 地属性 戦士族 蘇生 同名カード ゴヨウ・プレデター(アニメ)
https://w.atwiki.jp/tscardbattle/pages/42.html
カードデータ MP:900 重量:40 要求:Lv.0 用途:Disguise Lv.1 入手難度:A++ 実用度:A++ [[感覚型]]プレデターの落とすカード。ボスカードは全般的に入手には苦労するだろう。 オディニアには劣るもののそのMPは高く、[[レゲェオーク]]のカウンターも兼ねられる。 その点[[攻撃型]]より性能は良いと判断できる。 レゲェオークと共に組み込まれる事が多く、それゆえ読まれやすいのが難点。
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/144.html
前truetearsVSプレデター4 憔悴した眞一郎は駅前にある、多様な店舗を内包した 若者向けの総合施設、コンプレックスで暇を潰していた。 「・・・どこもかしこもカップルばっかですか・・・」 愛子を強姦未遂した今となっては比呂美に合せる顔がない。 だから、もしもう家に戻ってるんじゃないと思うと、帰る気にはならなかった。 それに愛子も三代吉も警察に話す風には見えなかったが、 友情が決裂した今となってはそれも甘い観測でしかない。 案外、警察と父がが泣き叫ぶ母をなだめてるんじゃないかと考えると、胸が締めつけられる。 「ん・・・今日、発売日だったか」 三代吉が購読している漫画雑誌の最新号が並んでいる。 もう借りられないのだから、立ち読んでしまうか。 パラリとページを捲って、適当に読み進めていく。 気が滅入っている時は意外と、関係ないことにハマリやすい。 「・・・」 新人賞の作品紹介ページが目に入る。 物書き(志望)の端くれの眞一郎としては、まぁ参考になることも色々とある。 それに同じように頑張る人間を知るというのは励みになるのだ。 (大賞出たんだ・・・って、富山県民じゃん!) 何気なく視線を移したページで、彼の指が止まる。 多分野であっても同郷というのはどこか誇らしい。 しかしやがて・・・心臓さえ止まったかと思った。 (あれ・・・なんかこれって・・・) 最初は何か奇妙なデジャブの感覚、しかしそれはゾクゾクと背筋を這い回る悪寒となって、 終いには歯の根が震え、喉は擦れて、膝が踊ってしまうほどの衝撃が身を貫いた。 「『轟天号と地べた』・・・って、何だこれ?」 よく分からんタイトルだが、どことなく覚えがある。 というか、少ない紹介ページから分かるその内容は、何か気になった。 それに作者名─‘石垣 純太郎’─って、な~んかすごく誰かに似てる気が・・・。 たまらずレジで雑誌を買うと、逸る血気を抑えて付近のネットカフェに入ってPCを起動し、 出版社のサイトの新人賞のページを開く。大賞以下何人かはその内容を閲覧できるはずだ。 そこに描かれていたのは・・・ 「パ・・・パクリじゃん・・・」 「雷轟丸と地べた」。仲上眞一郎が製作している絵本の内容そのままのものが、 しかし漫画の文法にそって、非常に大胆かつ情感溢れるスタイルでそこには描かれていた。 (・・・ど、どうして?・・・盗まれたのか!?) 作者のプロフィールを読めば大まかに経歴は分かる。縁深きひとならそれで身元は知れるのだ。 「石動 純・・・だ」 突発的な事態、自分と同じ顔をした誰かが世に出歩いていて、こっちの自分が嘘といわれたような不安に襲われる。 「ここ、これが噂の・・・アレなのか・・・?」 創作活動において‘内容が被る’実は意外と珍しくもない。 というよりも長く続けていれば、必ずぶつかる自然現象だ。 物語の快感則は定型化しており、作り手の増加と読み手の好みを反映すれば、多少似通うのはもはや当然だ。 そもそも石動乃絵をきっかけとして始まった物語が、石動純の知らぬはずもない。 やつに作家の才があるならば、日常の話題が被るのはあり得ることだ。 「あいつ漫画まで描けるのか?」 一見意外と思えるが、豊かな社会性、スポーツを中心とした経験の深さ。 不幸な生い立ちに、変人の妹まで抱えてるのかだら内から湧くネタには困らないだろう。 嫌味にもてるルックスも、タレント化した流行のクリエイターといえば納得だ。 コネと謗る気はないが、出版不況のご時勢、彼なら恰好の話題にもなる。 いや、別に非難する云われもない。 てっきりスポーツ進学でもするかと思ったんだが、無茶な志望に出てやがる。 それとも漫画賞は即、大金の入るチャンスだから、そっち目当てなのかも。 自分のように創作に将来をかけてる人間には信じがたいが、 そーいう利だけでパッと動いて、チャチャッと稼ぐヤツもいるらしいじゃないか。 「でも・・・なんで俺がこんな目に・・・」 それらはあくまで条件を揃えた、仮定の可能性を埋めただけの話。 実際こんな事態になるなんて、そうそうはあり得ない。 つまり、誰かの幸せのアオリを意味も無くひっかぶる、ということをだ。 眞一郎はガックリと膝を落としてキーボードに突っ伏す。 「・・・これじゃあ永遠に、発表できるわけない・・・」 今後、どこに出しても‘パクリ’疑惑、いや一蹴されるだろう。 精魂込めた作品の発表機会を失う、これはとても痛い。 それに同様の想いを込めた作品を生み出さない限り、長く後悔が緒を引くことになる。 一線の作家ならまだしも、耐性のないデビュー前に これを喰らうと、日の目も見ないまま引退なんてこともある。 と聞いたことはあるが、体験するのとはまた別物だ。 こと眞一郎のように、深い挫折を経ずなんとなしに、しかし強く創作を拠り所にした人間は、 ストレスに向き合えず、作ることへの情熱を捨ててしまうのだ。 (なんか・・・すごく面倒臭くなってきたなぁ・・・) さっそく彼のメンタルも、お定まりの諦めムードに移行する。 強化外骨格=アームスーツの豪腕がプレデターの顔面を狙う。 「おらぁああ!!」 ガゴォッ! 腕を十字に交差してプレデターも受けるが、衝撃を抑えきれず、 そのままなぎ倒される。 「クウゥオオッ!」 空中に吹き飛ばされるプレデターだが、その勢いのまま腰を回転させてアームスーツの 頭部に斬るような回し蹴りを打ち込む。が、 「そんなものかぁあ!」 風を裂くような攻撃を、超AIの驚異的な処理速度が上回り、予知したように片手でガードされた。 「醜い化け物がぁああああっっっ!!」 そしてもう片腕を鞭のようにプレデターのボディに打ちつけた。 「グゥアアアツッッッーーー!!」 大地に叩きつけられ、衝撃が余って弾かれた怪物の体躯はボールのように転がってゆく。 そのまま、撃ち捨てられた装甲車のドアに、衝撃でその鉄板を歪ませるほどぶつかって停止する。 ギギギ・・・ブゥンッ! アームスーツは片腕づつトライアルバイクを軽々と持ち上げ、2台いっぺんにプレデターにブン投げてきた。 「グ・・・クゥアッア・・・」 ブーメランのように飛んでくる二つの巨大な鉄の塊に気付いたプレデターが、間髪スレスレに避けて駆け出す。 ジャキンッッ! そのままシミターブレイド─物干し竿のように長い大型剣─を両腕から伸ばして アームスーツへ矢のように突進するプレデター。 「無駄な足掻きをおおっ!」 アームスーツの巨大な両椀がドリルのように回転して、竜巻のような破壊券となる。 ガキイイィゥイーッ! 2対のシミターブレイドと、回転椀が激突して火花が弾ける。 そのまま両者引かず、パワーが拮抗した鍔迫り合いになるが・・・ 「貴様ごとき殺人狂いの化け物がぁっ!」 アームすーツンの機動力ががプレデターの腕力を上回って、押しのけた。 「人類科学は最先端の結晶でぇ・・・」 プレデターも隙を与えず、千手観音のようにシミターブレイドを高速の連撃で応戦する。 が、スピードにおいても戦闘システムの対応力が、精緻に合せ、空中で、腕が幾度も交差する。 「選ばれたスペシャルなオレ様にいっ!」 腹に潜り込んだと思ったプレデターのブレイドを、アームスーツの指が掴んでいた。 「敵うわけがないっっ!!」 そのまま、もぎ取るようにしてシミターブレイドを根元からぶち折った。 「クゥアアッア!?」 正面からの決戦に勝機を見出せない宇宙のハンターは、後ろに振り返ると一気に距離をとった。 そして、付近に建っている送電線用の50mはある鉄塔まで退避すると、 その壁面をジャンプするようにして、どんどん上に駆け上がっていく。 狭い場所の方が、体躯の大きい敵を向かえやすいし、 足場の少ない高所であれば獣のプレデターのほうが動きなれているからだ。 だが、 「あらゆる環境に対応し、制限されない・・・」 アームスーツのロケットパックが噴射すると、高熱が唸るように吼えて、3mはある大型機械が浮き上がった。 「それが強化外骨格たる所以っ!」 そのまま、獲物を狙う鷹のように天空に飛翔すると、ミサイルのように鉄塔に向かう。 「うそ・・・」 巨大ロボット(正確には異なるが)と巨大怪獣のぶつかり合いを呆然と見つめる比呂美。 下手に動けば、巻き込まれかねないと、 さっきまで出ようとしていた落とし穴の淵にしがみついて隠れるしかない。 しかし、工学には素人とはいえ、人の作った象のようにデカイ機械の性能たるや。 金メダリスト体操選手のように軽やかに動き、果ては天使のように(見たことはないが)浮き上がるとは、 目の当たりにしても信じられない。今宵はそればっかだけど。 「とても、勝てないわよ・・・」 プレデターに自分たちは翼だ、といったがあくまで比喩だ。本当に、飛ばざるものを飛ばしてしまう力があるなんて。 あんな禍々しい兵器が、しかし夢に描いていた天空を制する翼なのか。 あれは自分を殺すものだ思いつつも、その強大なパワーに比呂美は惹かれていた。 「なんだ、あれは・・・」 石動 純─寄生生命体と同化して、黒体の怪物となった青年はアームスーツの力に驚嘆する。 あんなマシンはプレデターの博士─プロフェッサーから知らされていない。 心身を強化され、尋常でない力を備えられたからこそ分かる力量の差。 少なくとも自分の牙や爪が、あの分厚い装甲版を貫くとは思えない。 「しかし、あいつがプレデターを殺してくれれば‘試練’である俺の手間も省けるのか?」 孤軍のプレデターを人類に捕獲されないために仲間たちが助けるハンデとして、 自分は改造され使わされた。従わなければ乃絵の腕にある装置が派手に吹き飛ぶ。 「何にせよ、もうしばし静観するか・・・」 この寄生体を無理やりとはいえ、譲渡されたのだから相応の働きは要求される筈。 となると、自分があのアームスーツと闘う展開も十分あり得る。 ならば、少しでも両者を消耗させといて損は無い、と冷静に判断する。 しかし、肉と鉄がぶつかり合う激しい戦いに、血が騒ぎ始め加わりたい衝動も感じていた。 空も吹雪いてきた上に、碌な持ち合わせもない眞一郎は 仕方なく、だがどこか納得して帰宅を決めた。 結局比呂美を見つけるどころか、愛子を傷つけ、三代吉を失い、 純に殴られ、新作も頓挫し、乃絵の期待を裏切ることしかできなかった。 そんなあまりに何もできない自分が可笑しくて歌ってしまう。 「しんいちろ~は くつ~のそこの アブラムシ~♪」 帰り道、眞一郎は思いに耽る。 両家の一人息子であるのが疎ましかった。 が、何不自由なく、というか一般家庭よりずっと贅沢に過ごし、 周囲の大人たちが好意と敬いを込めて「坊ちゃん」と呼んでくれる。 そんな身分に知らず自惚れていたんだろうか? ‘オレは大した男だ’と。 彼らは仲上眞一郎という人格を慕っているのではなく、 ‘仲上家’という威光、資産、あるいは父の功績を称えていたのだ。 もちろん彼らに悪意があるわけはない。 人が社会的に営んでいる以上、それに即した付き合いをするのは当然であり、 むしろ個々の人格や資質のみで付き合うヤツがいたら、それは余程の大物かでなきゃ馬鹿者だ。 それに家柄やコネもまた、才能のように親から継いだ財産であり、 世間における自分の一部に他ならない。 実際、高い功績を残す偉人たちは、自身も優れた出自であったり、特別な環境であることが多い。 ‘坊ちゃん’が仲上眞一郎であることに何の不具合があるか。 まぁ、噂のとはいかぬまでも、相応しい振る舞いはしてきたつもりだ。 が、そこまで。 夢を追う自分も、友としての自分も、男としての自分も未熟だった。 ‘坊ちゃん’と呼ぶ人たちには強くても、‘眞一郎’と呼ぶ人には何もできやしない。 無論、これは世間一般男子に特別劣ってる意味ではない。 思春期の思い上がりも、反抗も、諦観も、死にたくなるような葛藤も、大人への通過儀礼だ。 そう、普通なのだ。 だから、普通な自分にこんな異常事態は対応できない。 非常識な性癖を露呈した幼馴染み、それを受け入れた勇敢な(元)親友、 一見清楚なれど心を縛りつけた才女と、普通と言いがたい少女。 でもってその兄にしてこの世の黄色い声援と、輝かしい経歴を一身に浴びる美少年がライバルときた。 こんな関係を、凡人に折り合えたら、それこそ理に反してる。 無理。それが真理。 通念上、今までの混乱が自分にあるとしても、現実的には収拾不可なのだから気に病むことはない。 適当に後悔と懺悔の表明だけはしておくが、だ。 これからは仲上眞一郎としての分をわきまえ、適度に周囲を頼っておとなしく過ごすが吉。 それが自分と、ひいては公益なのだ。 そう結論に至った彼は、雪原の公道を、途中で買った傘を差しつつ、自転車を転がして帰路につく。 その足取りはどこか悠々とすらしていた。 少年特有の世間に対する無力感、それを受け入れることで 葛藤に苛まれていた眞一郎の心は平静を得たのだ。 鉄塔の壁面を駆け上がるプレデターを、獲物を狙う鷹のようにアームスーツが迫る。 ヒュバッ!ヒュバァッ! プレデターの肩口からプラズマキャノンの閃光が奔った。 「うわぁっ!」 アームスーツのパイロットは、航空に専念する隙を衝かれ、回避が遅れる。しかし、 ヴィイイッオオオォォォン! アームスーツのAIが、通信制御用のアンテナを展開して、各種電磁波を放出。 強力な干渉波フィールドを展開して、プラズマ光線を無効化した。 「す・・・すごいぞ!こんな性能はなかったはず!」 バイオニューロンを搭載した自己進化型の戦闘補助システムは、 プレデターの能力を自ら分析して対処法まで構築する成長を見せていた。 「ガウアアウゥッア!」 プレデターもビームの圧縮率を変えて応戦するが、弾道を読まれて避けられるか、 フィールドの周波数も変化して拡散されてしまい、時間稼ぎ程度しかならない。 「今より選手交代だな」 アームスーツが鉄骨の間を縫うように飛び、プレデターの背後に回る。 振り返ったときには、その頑強な腕が、怪物の首を締め上げた。 「貴様が獲物でぇっ・・・」 そのまま額を鉄骨に押し付けて、上へ滑空していく。 ギギギギギギギギ! プレデターの額は皮がさけ、マスクが擦れて火花が弾ける。 「オオオオエアアアアエエァァァァア!!!」 鉄塔の天辺までたどり着いたアームスーツは、プレデターの体を軽々と放る。 「オレ様がハンターだっ!」 そのまま飛び上がると、プレデターの肩膝を鉄塔の天辺に突き刺す形で踏み潰す。 ドシュッ 「ギャオオオアアアアーーーーッッッ!!!」 足を鉄骨で串刺しにされて、宙吊りにされた怪物が悲鳴を上げる。 ドクドクと黄緑色の体液が流れ、鉄塔を伝い落ちていく。 「捻り潰したいのは山々だが、貴様から得る情報は正しく宇宙的価値があるからな。 まぁここで引き裂かれるより、実験場で死ぬこともできず解体されるほうが苦しかろうて」 グリグリと巨大な足で、瀕死の怪物を踏みつけ嬲る。 ピピピッ 「んん?まだ生存者がいるのか?いや、これは・・・」 プレデターの全能力の観察に集中していたアームスーツのAIが、 周辺の環境をスキャンしたとき、ある反応に気付いた。 「民間人の女が紛れたという報告があったが、あれか」 アームスーツの望遠カメラが、彼方で穴に隠れている比呂美を、睫毛の先まで鮮明に捕らえた。 「目撃者は生かしておけんなぁ・・・」 「こっちに来る・・・?」 落とし穴に隠れていた比呂美からは、鉄塔の頂上にいる強化外骨格とプレデターは ゴマ粒のようにしか見えなかったが、それでもモンスターが追い詰められたこと。 そしてマシン兵器がこちらを向いたのは分かった。 「まずいっ!」 トカゲのように穴から這い出す比呂美。しかし、寒さと出血のせいで、 四肢に力が入らずに、くてりと座ってしまう。 ヒュンッ 「?」 それに合せたようにず頭上を風が抜け、髪を撫でた。 ドォオオアアアッッン! そのとき、さっきまで比呂美のいた穴が派手に爆発して、 中に埋まっていた棘やら死体やらを粉塵にして舞い上げる。 「うううわあっ!?」 偶然倒れていなければ、首ごと持っていかれていた。 慌てて雪の上を這い転がって、立ち上がると駆け出す比呂美。 「おしい」 砲を外したアームスーツがバルカン砲をセットする。それが放たれれば 比呂美がチーターのように走れても、たちまち鉄の雨で刻んで、 親だって彼女の名残を見つけられなくしてしまうだろう。 キュィィィ・・・ガガーッッ! 「な、なんだ!?」 しかしそれが発射される直前、足下にいたプレデターが腕のブレイドを ボウガンのように飛ばして、バルカン砲の先端を吹き飛ばし破壊した。 せめてあの少女だけは守る。それは情でも優しさでもなく、彼らの間で交わされた誓いだった。 「きっさまぁぁ!」 鉄骨に刺さったプレデターの足を乱暴に引き抜くと、アームスーツはボールのようにその体を下方に投げる。 いくつもの鉄柱にぶつかりながら、重態の怪物は落下していき、 20mほどパチンコ玉のように弾いて下ったあたりで、手をひっかけて停止した。 しかし、それで精一杯。比呂美のいる彼方に手を差すが、何もできない。 その眼前に噴射で悠然と浮遊してアームスーツが降りてくる。 「あの少女に何か秘密でもあるのか・・・それとも、美女と野獣の真似か? そこで股から真っ二つに裂く様を見てるがいい」 ィィィイイイ、ドウゥッ!! 空中でマシンのロケットが吼えると、ミサイルのように比呂美に突進した。 「カウゥッア!」 鉄柱にしがみついたプレデターが、2枚のレイザーディスクを取り出すと、 その巨大な背中に向けて、手裏剣のように放る。 獰猛な宇宙生物の皮膚もチーズのように斬るそれなら、電磁波バリアーも通じないはず。 ガキッガキイッ! だが宇宙ハンターの背後からの強襲も予期していたAIは、各種全身のマイクロセンサーで 円盤のコースを計算し、軽業のようにかわす。 「無駄無駄ぁっ!」 大軍を単身で蹴散らした狩猟戦士さえ、圧倒する性能に酔いしれるパイロット。そのとき、 「いや、そうでもないな」 人体の声を選別して再生する集音マイクが空気に溶けてきえる呟きを拾った。 「?・・・なっ!!」 ベトオオオッッッオッゥゥーーー! 突然、空を掻っ切るアームスーツを真っ黒い網が包み込んだ。 固く、それでいてしなり、貼りつき、どこまでも伸びるそれが、巨大マシンを捕らえる。 そして網の両端は、プレデターが投げた2枚のレイザーディスクにガムのようにくっつく。 「うおおおおっ!?」 ディスクが渦を巻くように強化外骨格に向かって回転し、グルグルとタコ糸を巻くように縛った。 さらに全身を縛られ、空中で姿勢を保とうとするアームスーツに向かって真上から黒い塊が飛んできた。 「ぉぉぉおおおらぁあっ!」 「ぬあっ!?」 全身を黒く染めた怪人が、巨大マシンの頭部に膝蹴りを叩きこむ。 その衝撃で短い間だが、モニターにノイズが走って真っ逆さまに地上へ転落した。 「ま、まだ仲間がいたのか?」 すぐさま立ち上がって、肩から小型キャノンを出そうとするアームスーツ。 黒い怪人はその背中に蜘蛛のようによじのぼって、武器を蹴り上げてもぎ取った。 「バカヤロウ!富山一の出世頭、石動純があんなマザーファッカーでたまるかよ!」 比呂美の足が止まり、何倍もある機械を踏みつける怪人を振り返る。 「え・・・えぇ・・・?あ、あんなキャラだっけ?」 「が・・・生憎とこの口裂け面じゃあワカンネェか。そうだな・・・オレ様は悪を以って悪を滅する毒薬・・・」 寄生生命体と同化した石動純はギラリと輝く牙を開くと、奇声とともに名乗りを上げた。 「ヴェノムだ!」 つづく truetearsVSプレデター6
https://w.atwiki.jp/true_tears/pages/160.html
ゴイイイイイィィィンンン!!! アームスーツが鉄塔に激突し、重く鈍い金属音が辺りに響き渡る。 「ッッィシャァア!!??」 突然、比呂美を抱えて鉄骨に着地した純=ヴェノムが甲高い悲鳴を上げた。 「ど、どうしたの?」 わけがわからず動揺する比呂美。 ヴェノムの体表がハリネズミのように触手を伸ばしてもがく。 純の頭にもトンカチでガツンと割られるような痛みが奔っていた。 金属の衝突による音のショック。 シンビオート=寄生体の弱点、その超短波を間近で浴びてしまったのだ。 「クルルゥッ?」 歴戦のプレデターには、それがすぐさま寄生体の弱点だと気付く。 が、その観察はプレデターだけに止まらなかった。 アームスーツのシステムがダメージから回復すると、足元の鉄骨に高速の拳を打ちつける。 ガアアアァァァアン!!! 「キャシャオォォーーーッッ!!!」 とうとう純の全身を包んでいた黒い寄生体が金属音に堪えきれず、蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 爆発するように辺り全体に拡散すると、ドロドロと固まって鉄骨を伝い、音から必死で遠ざかろうと流れていく。 「うわあああぁぁ!お、おれの体がぁ・・・っっっ」 「いったいどこにいるの・・・?」 純には止められたものの、心配に突き動かされ現場に来てしまった乃絵。 彼女がたどたどしい手つきで、トラックを停車させてると、兄たちはどこにいるのか探す。 が、そこから見える光景はひたすら壮絶としかいいようがない。 雪が一面に積もる真っ白な世界に、赤黒く歪んだ点々があちこちにある。 それはおびただしい戦場の爪痕、かつては生き生きと動いていたはずの物体の残滓だ。 「・・・ぅおっえっ!!」 思考が情報に耐え切れず、肉体が拒否反応を起こした。 咄嗟に胃の内容物が逆流してくるのを抑える。 肝が据わってるのが石動乃絵の長所とはいえ、年若い少女がおよそ正常を保てる世界ではない。 ィィィィィ・・・ 「あそこ?」 この光景から意識を遠ざけてくれるならなんでもいい。 微かに聞こえた共鳴音を辿って、その方角に目を凝らすと、送電用の巨大な鉄塔が目に映る。 「あれは・・・黒い?」 視力はいいほうだ。明かりが少ないので、鮮明には分からないが、鉄塔の真ん中あたりで何かが激しく動いている。 2・・・3、全部で4つの人影だ。 一つがやたらとデカすぎる。熊どころではない。あれは象か? もう一つもNBAのバスケ選手ほどはある。それにあのガタイ、あれはきっと依頼された目標のプレデターだ。 で、あの黒いのがお兄ちゃん・・・おかしい。 兄の全身に寄生したはずの不気味な生命体が、踊るように暴れている。 隣にいるのは湯浅比呂美でFAだろうが、もうかなりどうでもいいことだ。 「お兄ちゃん!」 乃絵はギアを入れると、もはや慣れた動作でトラックを鉄塔に向けて走らせた。 「があぁ・・・げえぇお・・・」 寄生体が消え去った跡に比呂美が見たものはミイラのように憔悴しきって蹲る石動純だった。 寄生体と生命を共有していた彼はダメージを激しく受けた上に、 その力を殆どシンビオートに奪われてしまったのだ。 「ウガァアオオオッッゥ!!」 純の苦しむ様に怒りを覚えたプレデターが咆哮する。 片膝を破壊された怪物は、しかし腕立てをするように鉄骨に手を着くと、 両肩の筋肉を風船のように肥大化させアームスーツに飛び掛った。 「おっとっ!」 そうはさせじと強化外骨格のロケットパックが噴射し、その巨体はたちまち空に離脱する。 捕まえそこなったプレデターは、地上に真っ逆さまで諦めなくても試合終了だ。 「雷轟丸っ!」 誰の声かと思った。そもそも誰を呼んだやら、とも思った。 違う。今のは自分の声か。 そう、湯浅比呂美が咄嗟に落ちゆくプレデターに呼びかけたのだ。 なぜ?彼女にも分からない。もっともそれに思索する余裕もなかった。 空を飛ぶどころか、足も壊されジャンプさえできない異形の戦士。 地べたに這いつくばる怪物が天を自在に舞う鋼鉄のマシンに飛びかかったとき、 その失敗しかない試みに勇気だけで挑んだとき、それに該する名詞が浮かんだのだ。 自己の限界を明らかに上回る、挑戦といえるかすら危うい行動。 それを無謀と笑うか、冒険と称えるか。そんな外野の評価など無意味だ。 ただ、動いたのだ。 比呂美自身は鶏の雷轟丸が狸に食われたのは、単にそれの本質が陳腐だったからと思っている。 生死の境において、餌に選ばれる宿命。それは相手に爪でなく、背を見せたことに他ならない。 が、しかし‘雷轟丸’という名へ込められた思い、そのものは別だ。 絶対的に飛べぬものが、それでも飛ぼうとする勇士には雷鳴轟く感動を覚えただろう。 その意味にあって、ただひたすらに死闘に挑み続ける眼前のプレデターにこそ、あの名は相応しいのだ。 比呂美はイギリスの女王が偉大な働きをした徒に騎士の称号を与える心地で、 そうプレデターを名づけていた。‘雷轟丸’と。 プレデター=雷轟丸が鉄骨に座り込むアームスーツに飛びつく寸前に、その巨体は空に浮き上がった。 ので、一瞬の差で間に合った雷轟丸の爪がマシンのつま先に引っかかる。 「なにっ!?」 下方に消えるプレデターを想起していたパイロットに動揺する。 「・・・あぁ!」 一方、同じ予想をしていながら、それが外れた比呂美の表情は花が咲いたように明るくなった。 そのまま怪物はヤモリのように素早くよじ登ると、コクピットとなる胴体部分にしがみついた。 「落ちろ化け物!!」 マシンの片腕がプレデターをボディから叩き落とそうと動くが、 シュバァッ! ドグシャァッ! 肩のプラズマ砲がそれより早く動いて、巨大な腕を根から吹き飛ばした。 とうとう機械の両腕はなくなって、全体からすると小さな2本腕だけになるアームスーツ。 絶大な戦闘力を半減させたことになる。 「やったぁ!」 ガッツポーズをとる比呂美。嬉しい!チョー嬉しい!心が沸き立って脳の快感物質がフィーバーする。 純ヴェノム、プレデター雷轟丸、それに自分。 一人では到底敵わない相手でも、協力すれば報いることができる。できるんだ。 さっきまでは、ずっとずっと一人だった。 いや、いつだって自分は一人だったのだ。 周りのせいではない。周囲の人間には恵まれていると自信をもっていえる。 環境のせいでもない。不幸に底はなし、孤児院一直線だったはずが地元の名士に拾われるなど通常ありえない救い。 それでも孤独だった。心を開けなかった。否、開きたくなかった。 自我の奥深く、遥か光の届かない闇の底。 多大な才能を備えた肉体と知性、これを以って存分に、 一切の容赦なく外の世界にぶつけてしまったらどうなるのかという恍惚な期待。 出してはならない。考えてもいけない。気付くことすら許されない。 もしそんな獣じみた、いや野獣そのものの湯浅比呂美を作ってしまえば、行き着く先はただ破滅のみだ。 誰にも理解されず、分かり合えず、これまで築いてきた全てを断ち切ってしまう。 だからひっそりと、どうあっても本来の欲求を出すことなく生きていく。、 ときおり下らない怒りをぶつけ、おざなりな折衝をして、最後は男の肩によりかかる。 望めるなら仲上眞一郎と結婚するのがいい。 彼が酒蔵を継げばお上さんとして世話しなく働きまわり、面倒見のいい奥さんになる。 子どもも3人は欲しい。 作家を目指すなら、自分も働くだろう。OLとして事務をこなし、家事も献身的にこなす。 休日は朋与たちと旦那の愚痴を肴に、甘いものを梯子する。 地域のクラブに入って、バスケットを続けるのも面白い。 石動 純と付き合ってたのも、いいネタになりそうだ。 或いはその石動 純と結ばれてもいいのだ。 冷めたとこがよく似てるし、互いの汚い面を理解し合っているという意味では眞一郎を上回る。 案外、そーいう気安さがあると長続きしそうではないか。 石動乃絵が妹になる、というのがしんどいが。 とにかく、そーいう俗な女になりたかった。大人になりたかったのだ。 だけど、自分は巡り合う。 地獄の釜の底の底。悪鬼羅刹の巣窟で、 たった一つの小さな命、それをとことんぶつけ合う。 そんな無茶ができる仲間に会えたのだ。 もう寂しくないのだ。 「カァッ」 しかしプレデターは機械の腕を吹き飛ばしたのを後悔した。 背後に風を受けた瞬間、咄嗟に反応して攻撃してしまったが、そのビームでパイロットを撃っていれば。 たとえそのパンチで我が身は平らに潰されようと、長い闘いは終わりにできたのに。 次にパイロットを狙えばよいわけはない。できないのだ。 雷轟丸が一撃を放てば、そのすぐ後にはアームスーツが攻撃してくるのだから。 アームスーツのパイロットハンドがプレデターの胴体を抱えると、 有無を言わさぬ加速をかけて鉄塔に体当たりした。 「ゲハァッ!!」 強固なマシンと分厚い鉄柱の高速プレスに挟まれた雷轟丸が血を吐く。 胸部の骨は折れ、衝撃で脳がグワングワンと揺れている。 今がどこで、自分が誰なのか思い出せない。 そればかりか、その事実さえ今にも失われようとしていた。 「雷轟丸っ!!」 50mはある高所の鉄柱の上で、横たわる純を抱きかかえる比呂美。 「・・・オレの・・・体・・・オレの・・・」 その純は砂漠で水を求めるように、震える手を仰がせ、 パクパクと口を開けて呟いている。 が、黒い寄生体はもういない。 奇跡のような力。人間という枠から解放された高揚感。すべては過去だ。 「純君、立って!」 ズルリッ 目の光を失ったプレデターが、抱きつくように力なく倒れる。 糸の切れた人形のように、構えることなく鉄骨に体を打ちつけ、それに反発するそぶりもない。 完全にこと切れてしまったのか。 「ワン・ダウン」 アームスーツが比呂美と純を振り返る。 装甲ごしとはいえ、その視線は十分に比呂美を戦慄させた。 「純君、起きて!おねがい!」 あぁ、もういっそ身投げしてしまおうか。 この苦しみから、痛みから、恐怖から、葛藤から。 少なくともこれからこのマシンが与える暴力よりはマシなはずだ。 「落ちても無駄だぞ?貴様らが地面につくより速く拾うなど造作もない。その行為を救命とはいい難いがな」 アームスーツがわざとゆっくりと歩いてくる。飛び降りるのを期待しているのか。 絶望の底にある最後の希望。そこにすがった時、眼前で全てを奪うつもりなのだ。 「どこだ・・・どこだよ・・・?」 寄生体の弱点の超短波はとっくにやんでいる。なのに何故戻ってこないのか。 それは石動 純の闘争心が掻き消えてしまったからだが、そうあるゆえに気付かない。 「また・・・消えてしまった・・・」 いつもいつも大切なものは消えてしまう。 どれだけ努力しようと、戦おうと、逃げようと、そのどれも許さず現実はオレから奪うのだ。 足掻くだけ虚しいのなら、いっそ全部を諦めるしか・・・。 「やってみなさいよ」 比呂美は優しくそっと純を横たえると、アームスーツの正面に向き直った。 迂闊なことに何一つ具体的な武器を持ってないことを悔やんだが、 強化外骨格の装甲の前では蚊がなく程度の効果もないなと思い直す。 「虚勢で恐怖を和らげるか。しかし漫画と違って、精神の勇ましさは苦痛の前では何の役にも立たん」 チュンッ 「~~~っっっ!!」 アームスーツから放たれた銃弾が、比呂美の右耳を掠めて血がパッと散る。 「まだ我慢はできる・・・が、苦痛そのものが消えるわけじゃないな」 比呂美の耳からはポタポタと血がしたたる。 「まずは手の爪、指、肘、肩、ついで足の指、膝の順に折る」 マシンが指折り数えていく。 「はぁ、ふぅーっ・・・とんだ下衆ね・・・はぁ、ふぅーっ・・・アンタは・・・」 できる限り、苦痛が顔に出ないよう努めて、睨み上げる。 「やがて脳神経はストレスでズタズタになって、殺害を乞うだろう」 チュンッ 「っあぁあ!!」 悪魔の正確さで小指の爪だけが撃ち抜かれる。 「そうなったとき、お前はこれまで全てと今の現実、 そして輝かしかったはずの未来を否定する。せざるを得ない」 チュンッ 「~~っっ!!」 ついで薬指だ。幾度も激痛が針のように神経を突き刺し、それが止むことがない。 「終わることの無い苦痛に絶望し、お前の自我が崩壊したとき初めて、 この責めは終わる」 チュンッ 中指。 「そのときは自分の名も忘れているだろうがな。というより‘考える’行為そのものができなくない」 チュンッ 人差し指。 「関連付けから成る思考、つまり記憶を否定し」 チュンッ 親指。 「朝も夜も絶え間なく恐怖に苛まれ、幻に怯えて生き永らえる」 パンッ 「ぐぁあああっっ!!」 比呂美の右小指が第一関節から吹き飛ばされた。その先は空中に落ちて消えてしまう。 「やがて死ぬ」 パンッ 「ぎゃぁああっつ!!」 薬指が千切れる。 「これからは苦しむためだけに生きろ」 「はぁっはぁっ・・・確かに、あなたにいうことは・・・た・・・正しい・・・です・・・くぅっ」 比呂美が出血を塞ぎながら呟く。目は虚ろで、息も枯れている。 そのままゆっくりと膝をつくと土下座の体勢をとる。そして 「お願い・・・もう・・・もぅ許して・・・」 バンッ 「あぁぁああっっ!!」 比呂美の左耳に風穴が開く。 「言えば叶えて貰える。自己が尊重されると思っている」 終わらない痛み。出口のない地獄。 「おまえの願いは一つとして叶わない」 「お兄ちゃん・・・そこのロボット!ちょっと聞いて!」 「ん?」 鉄塔の根元までトラックを寄せた乃絵だった。 それに気付かないとは、アームスーツのセンサーが一部狂ってるようだ。 「私の手にはプレデターの爆弾がついてるのよ!お兄ちゃんが死んだら爆発するんだから!」 プロフェッサー・プレデターに装着された腕のガントレットをかざす少女。 「あれは・・・確かに宇宙生物の自爆装置と同じデザインだな」 スーツの中で思案したパイロットは乃絵にスピーカーで問いかける。 「出鱈目をいうな。この少年が死ぬと、何故おまえまで死なねばならんのだ!」 ハッとする比呂美。咄嗟に声をかけようとするが、 「いする・・・ぐぁっ!」 軽くこづくようにスーツのつま先が比呂美の喉を蹴り上げる。 が、それだけで呼吸ができないほどのダメージだ。 「お兄ちゃんが任務に失敗しないためよ!」 「そんな任務あるわけがない」 粗末な誘導だ。 しかし、切羽詰った乃絵は意識が回らない。思考を一枚重ねる余裕がない。 「そのプレデターを倒すことよ!やつらのルールなの!」 言ってから青ざめる乃絵。パイロットがほくそ笑む。 「こーいうことか?」 プレデターに銃座を向けた。 「のぉあっ!」 振り返ったアームスーツに雷轟丸が短剣をかざして飛び掛った。 ガキィッ! 硬質な宇宙生物の皮膚を改造して作った特注製だ。 その刃は頑強な装甲を突破してマシンのコクピットまで達した。 「ちぃっ!」 が、限界を超えて消耗していたプレデターの腕力では、中にいるパイロットの鼻先までしか届かなかった。 バァアンッ バルカン砲が雷轟丸の顔面に火を噴いた。 あたり一面に脳みそと体液を撒き散らして、顎から上が消え去る。 ふとそのとき、比呂美はプレデターがマスクをしていなかったことに気付いた。 とうとう素顔をみることなく、彼は逝ってしまったのだ。 戦士の魂が眠る銀河の墓場に。 「・・・ぁぁぁああああおおおおお!!!」 比呂美がアームスーツの足に掴みかかる。せめて、せめてこのマシンを地上に落とすぐらいはしなければ! 「ぅあっ!!」 しかし、その行いは全く不可能だった。 電磁石を靴裏につけたマシンを動かすのは、大木を根から引き剥がすようなものだ。 比呂美の足首を持って逆さ吊りにする。 「どうした?まだ逆らうのか小娘がっ!!」 うっかり超貴重な宇宙生物を殺してしまった。 取り返しのつかないミスに激昂したパイロットは容赦なかった。 「どうしたの、このガンダム野郎っ!!それで勝ったつもり!?」 比呂美の怒りはそれ以上だった。終生の友を、心の根を共感できる半身をあっけなく奪われたのだ。 雷轟丸の痛みは自分の痛み。その怒りも、無念も、復讐も全て湯浅比呂美のものだ。 「ひ・・・ろみ・・・・?」 霞んだ眼で巨大なマシンに噛みつく少女。か細い、ほんの小さな少女だ。 オレは本当に馬鹿だった。いらないのだ、戦士であるのに。 宇宙怪人でなくともいい。寄生体も必要ない。ほんの小さな少女でもなれる。 なぜならば・・・ 「なぜならば!本当の戦士は心に鎧を持っているのだから!」 感覚のない指を震わせ、穴が空いたように力ない膝を立たせる。 「シンビオート!それは心の鎧!プレデター!それは心の槍!」 純が、細い鉄骨の上をアームスーツに向かって駆ける。 「お兄ちゃん!!」 乃絵の声だ。来てくれたんだな。これが最後の試合だからな。 悪くない、とても悪くない。妹に見てもらえるなんて。 「真っ二つにしてくれるわっ!!」 アームスーツが手の平を掲げて、比呂美の心臓を突き刺す・・・!否、 ザシュッ 「・・・・・・純くん?」 比呂美の顔に注がれるドロリとした液体は純の腹から出ていた。 「・・・うそ」 ガックリと膝をつく乃絵。その顔からは表情が消えている。 「比呂美・・・おまえは全く・・・世話のかかる・・・ガブッ」 純の手がそっと比呂美の頬に触れ、掠めるようなキスをする。 「ふん」 「・・・純くん」 「ぐあぁああああっっ!!」 純の胴体を突き破ったアームスーツの腕が、高々と彼の肉体を持ち上げる。 「くっそ、こいつにも興味はあったんだが」 蛇口を捻ったように、口と腹から赤い滝を流す純が、マシンを見下ろす。 「さ、最悪の状況・・・っっ・・・で・・・シュートを・・・決める・・・そ・・・それが・・・」 鼓動が止まり、血液が殆ど失われる。しかし、これだけは言わねばならない。 「それ、がっ、4番・・・・・・・・・・・・シンビォオオオオオオオトッッッ!!!」 「キシャァアアアアアアッッッ!!!」 ドコに隠れていたのか、そこいら中から黒い液体が奇声を上げて集まってくる。 その行き着く先は、比呂美だった。 「馬鹿なっ?貴様ぁっ!!」 腕を振って、純の死体を空中に投げ捨てると、比呂美の頭を握りつぶそうとする。 ガシィッ! 「ぐぅっ!?」 しかしその腕を、真っ黒な手が抑えてそれを防ぐ。 そして足首を掴んでいた手を、蹴り上げると宙返りして着地した。 「ぬぅううう!!まだ抵抗するつもりか!?」 アームスーツがロケットパックを噴射して、空中に離脱する。 が、既にその背に黒い人影は捕まっていた。プレデターが突き刺した短剣を引き抜くと、 その背のロケットパックに思い切り突き刺した。 「のぉああっっ!!」 火花を散らして、下降するアームスーツ。なんとか角度を調節すると、乃絵が運転してきたトラックの上に ドズンッと不時着する。 「あのアマァ・・・!!!」 パイロットが鉄塔を仰ぐとそこでは、プレデターの鎧を黒い生物が取り込んでいた。 やがてソイツは全身が鮮血を撒き散らすような赤い体表になる。 参考画像→http //www.heatwave-toys.com/gallery/modelkit/kit_chara/kit-carnage/b-carnage-1.jpg 「プレデター雷轟丸、石動 純ヴェノム、そしてここで散っていった命たち。 全ての想いをこの身に纏い、無限の地獄で私は生きる。それが贖罪、それが復讐、そしてそれが戦士」 隆起した筋肉を脈動する赤い粘液が包み、それを歴戦の証が刻まれる甲冑で覆う少女。 「私はもう泣かない。なぜならば、この鎧は仲間と、そして敵の涙で出来ているから」 スピアを伸ばして地に打ちつける。が、寄生体はビクともしない。 プレデターの偽装システムによる空気の反射によって、超短波を防いでいるのだ。 「私の名は 真実の涙 ‘TRUE TEARS’ !!!」 つづく truetearsVSプレデター8
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/12777.html
ゴヨウ・プレデター(アニメ) シンクロ・効果モンスター 星6/地属性/戦士族/攻2400/守1200 チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上 (1):このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った場合に発動できる。 その相手モンスターを自分フィールドに特殊召喚する。 コントロール ゴヨウ シンクロモンスター プレデター 地属性 戦士族 蘇生 同名カード ゴヨウ・プレデター(OCG)